2015年12月に、若者がエナジードリンクを大量に飲んだことによる「カフェイン中毒死」が日本で発生しました。
お酒の飲み過ぎで急性アルコール中毒となり亡くなった、と言うニュースはたまに見かけますが、カフェインの取り過ぎで亡くなるというのは中々聞かないですよね。
実際、厚生労働省は日本では国内でのカフェイン中毒死は初めてと説明しています。
では、この「カフェイン中毒」とはどの様な症状なのでしょうか?
カフェイン中毒とは?
カフェイン中毒は、「カフェインが持っている神経毒性によって起きる中毒」のことで、主に短期間に一気にカフェインを摂取したときに発症します。
一般的に、カフェインには「鎮痛作用や眠気減退、気分高揚」といった効果があるので、仕事に集中したい時や、勉強で夜更かしするときなどに飲む方が多いです。
一方で、何にでも言えることですが、過剰摂取は問題を引き起こしかねないので、注意が必要です。
カフェイン摂取量と症状の関係
では、カフェインはどれくらい摂取すると中毒症状が出てくるのでしょうか?
軽微なカフェイン中毒の場合
カフェイン中毒の症状として、1日に250mg以上のカフェイン摂取で以下の様な精神障害が発症するといわれています。
- 焦燥感
- 神経過敏
- 興奮
- 不眠
- 頻尿
さらに酷くなると、著しい苦痛が起きることもあります。
重度なカフェイン中毒の場合
カフェインの摂取量が1時間以内に6.5mg/kg(※)以上で約50%、3時間以内に17mg/kg(※)以上でほぼ全ての成人が毒性作用による急性症状が発症するといわれています。
※:例えば、体重70kgの方の場合、6.5mg×70kg=455mg、17mg×70kg=1,190mg
- 精神的な症状・・・不安・不眠症・妄想・幻覚・パニック発作など
- 身体的な症状・・・胃痛・不整脈・嘔吐・視力障害・動悸・ムズムズ感・頭痛など
参考に、海外の諸機関がカフェインが人体に影響を与えないと摂取量として考えている水準は、以下の通りとなっています。
なお、国際がん研究機関(IARC)によると、カフェインは「人に対して発癌性があるとは分類出来ない」としており、飲み過ぎによる癌の心配は基本的にありません。
カフェイン含有量のチェック
カフェインは主に、お茶やコーヒー、エネルギードリンクなどに含まれています。
何かと口に含む物に対しては規制の厳しい日本ですが、食品のカフェイン含有量に対する規制は無いので、自分自身で摂取し過ぎない様に管理する必要があります。カフェイン含有量については「カフェイン含有量が多い飲み物は?(コーヒーやお茶、エネルギードリンクが多い!?)」で解説していますので、参考にして下さい。
治療方法
カフェイン中毒に対して特別に有効な薬は特にありません。カフェイン中毒になってしまった方は、カフェインの血中濃度が高い状態にあるので、血中濃度を下げる対症療法をするのが基本的な治療方法です。(緊急時は血液透析や胃洗浄などをすることもあります)